自動車学校のオンライン授業とは
2020年12月から学科教習のオンライン授業が認められるようになった教習所。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、「3密」対策の1つとして設けられました。では、教習所のオンライン授業とはどういったものなのでしょうか?詳しくみていきましょう。
自動車学校のオンライン授業ってどんな内容なの?
2020年12月から、様々な自動車学校で導入されているオンライン授業。これはそもそもどんなものなのか?というと「インターネットを通し、映像で学科の講習を受ける」ことを言います。つまり、自宅や大学にいながらZoom等を使って学科の授業を完了できる、というわけです。コロナ禍で自動車免許を取得する方々も、オンライン授業なら感染対策などを気にせずに1人でマイペースに受けられるでしょう。
ライブ配信と録画配信、2種類が認められている!
警視庁からの通達により、オンライン授業はリアルタイムでの「ライブ配信」と、あらかじめ教官が授業を行った映像を残した「録画配信」の2種類が認められることとなりました。ライブ配信は双方向でコミュニケーションが取れるのが一般的で、質疑応答の時間も設けられているようです。録画配信はスクールによって配信方法が異なり、中には専用の動画チャンネルやアプリなどを用意しているところも。
顔認証等を活かし、受講したことをしっかり確認!
運転免許証の取得における学科の教習は、受講した後証明の押印を受けますよね。そのため、各スクールではオンライン授業を受けながら居眠りをしたりサボったり、別の誰かを代役(なりすまし)にしたり…といった不正・怠惰を防ぐため、AIの顔認証機能等を活用して個人の識別を工夫しています。オンラインだからといって適当に受けられる、というわけではないのですね。
実技を伴う講習はオンライン不可!
学科の中には、応急救護処置をはじめ実技が必要なものも存在します。これに関してはオンライン受講ができないため、注意しておきましょう。一般的には普通自動車免許を取得するにあたって必須の26時限のうち、21時限分がオンライン授業で提供されているようです。
自動車学校のオンライン授業のメリット
自宅にいながら受けられる、というのは便利そうですが、実際どんな長所があるのか気になりますよね。では、自動車学校のオンライン授業のメリットについて見てみましょう。
通学以上に、自分のスケジュールに合わせて受けやすい
まず、大きなメリットは「スケジュールを合わせやすい」ところでしょう。一般的な通学スタイルでも都合の良い時間に予約することになりますが、オンライン授業の場合は録画での対応も可能なので、例えば早朝や夜間などこれまで教習を受けるのが難しかった時間帯でも問題なく視聴できます。
また、大学の講義の空き時間やアルバイトの休憩時間などピッタリ1時間、というスキマ時間があったとしても行き帰りを考えると教習所に足を運ぶのは難しいですが、オンラインなら立ち上げるだけですから、余暇を無駄なく使いたい方にも向いていると言えるでしょう。
行くまでの交通費や時間がかからない
自動車学校への通学は無料の送迎バスが出ているスクールもありますが、中には自宅や大学から近いがゆえにバスを予約するのは面倒、送迎圏内までは電車に乗らなければならないといった事情から交通費が必要な方もいるかもしれません。
しかし、オンライン授業なら直接通学しなくても良いので、交通費をそのまま浮かせることが可能です。前述した通り行き帰りの時間もかかりませんし、免許取得にあたってのストレスをより軽減できるでしょう。
定員を超える受講生が予約しても対応できる
通学における学科の講習も大人数で一度に受けるのが基本ですが、タイミングによっては教室に入りきれず対応できない、別の時間を予約するしかないといったケースもあるようです。技能教習までの空き時間をうまく利用したい、できる限り早く取得したいという事情をお持ちの方は、特に焦りを感じてしまいますよね。
ですが、オンライン授業ならもちろん定員を超えても問題なく受講が可能。取得目標に合わせて、無駄なく時間を使えます。
何度でも繰り返し観て復習できる
オンライン授業は、基本的に授業の内容が後日にも見返せるようになっています。これまでは基本的に同じ内容の講習は一度しか受けられなかったので、その場で質問できなかったり、メモが追い付かなかったりするとなかなか解決が難しいケースもありましたよね。
ですが、オンライン配信は繰り返し鑑賞し、効率よく復習できます。ライブ配信なら直接質問を受け付けてくれる場合もあるため、その点は実際の通学と変わらない利点も得られるでしょう。
字幕を利用すれば、聴覚障がい者の方や外国人も理解しやすい
条件を満たしていれば外国人や聴覚障がい者の方も通うことができる自動車学校ですが、学科に関してはやはり言葉が伝わりにくい部分もあります。しかし、字幕でなら耳で聞き取るよりも比較的意味を理解しやすい面はあるはずです。
そのため、字幕を利用すればそういった事情のある方々も免許を取得しやすくなる、というメリットも。今後も様々なニーズに合わせた動画づくりが期待できそうですね。
効率よく感染症対策ができる
新型コロナウイルスにおいては「密」を避ける配慮が求められていますが、オンライン授業はコロナに限らず、様々な感染症対策に繋がる可能性もあります。自動車学校では多い時で50人~60人程度が同じ室内で授業を受けることもあると言われていますが、オンライン授業ならそれを回避できますから、コロナをはじめ空気感染リスクの大幅な軽減が期待されるでしょう。
自動車学校のオンライン授業のデメリット
このように、自動車学校のオンライン授業には様々なメリットが存在します。とはいえ、実は良いことばかりではないようです。では、一体どのような注意点が挙げられるのでしょうか?
ネット回線の影響を受けることがある
オンライン授業で注意しなければならないのは「ネット回線の影響を受けやすい」という点です。パソコンやタブレット、スマートフォンなど使用する媒体にもよるものの、回線の調子が悪いとノイズが入る、声が遅れて聞こえるなどのトラブルが起こる恐れがあります。特に屋外等、通信環境が安定しない場所でオンライン授業を受けるのは避けた方が良いかもしれません。
自動車学校による格差が生まれやすい
オンライン授業は、すべての自動車学校が導入しているわけではありません。そのため、自分が通っているスクール、あるいは気になるスクールが対応しているかどうか確認する必要があるでしょう。この辺りの発展具合は自動車学校や地域によって差が大きいと言われており、今後も更なる格差が広がらないか不安視されている部分もあるようです。
録画の場合、その場で分からないところを質問できない
リアルタイムのライブ配信であればその場で質問に対応してもらえることもありますが、録画配信の場合は分からないところが出てきても質問できない、という点にも注意しなければなりません。スクールによってはメールや電話での質問が可能なようですから、確認しておくのがおすすめです。
自動車学校のオンライン授業はメリットが大きいものの、新しい試みである以上はまだまだ課題も存在するようです。まずはオンライン授業に対応しているスクールが身近にあるか確認してみて、雰囲気を探ってみてはいかがでしょうか?